初めて精神科を受診することについて

このブログをご覧の方は双性障害と診断されている方がメインで、恐らく中でも障害者枠で就職活動中だったり、これから就職活動をしようとしている方が多いのだと思いますが、今日は初めて精神科を受診することについて書いていきます。心療内科というのを私は受診したことがないのですが、心療内科は精神科とほぼ同じだと言われているようなので、このエントリーは心療内科の場合にも当てはまると思います。

このエントリーを書こうと思ったのには理由があります。それは友人数名から「精神科を受診すべきか悩んでいる」と相談を受けたからです。そのような悩みを持っている方々もいらっしゃるのだと感じたため、私なりに記してみます。

まず、精神科を受診することを躊躇する原因は何でしょうか。友人たちの話を聞いていて分かったのですが、それは2点あります。1つめは「未知の場所だから想像がつかなくて怖い」というもので、2つめは「病気だと診断されるのが怖い」というものです。

私の場合は、極度に活動的になったのち大学の後期試験を全く受験できないほどに寝込んでしまい、異常を感じたので意を決して精神科の扉を開きました。双極性障害と診断されたときには安心感を抱いたのを覚えています。ですが、後者に関して想像するのは易しくて、ラベリングされることに躊躇いと戸惑いがあるのだと思います。

まず、1つめ「未知の場所だから想像がつかなくて怖い」というものについて。私もそうだったのですが、精神科というと「何か言葉にならないことを唱えている人がいるのではないか」とか「暴力的なことをしている人がいるのではないか」などの想像をする人もいるのではないでしょうか。それは精神疾患が得体の知れないものであることに起因すると思います。確かに、入院病棟があるような大きな病院ではそのような話を稀に聞くことがありますが、少なくとも私が今まで通ってきたメンタルクリニックや町医者ではそのような場面に遭遇したことはありません。なので絶対にないとは言えないのですが、そこまで怖がる必要もないのかなと思います。初めて精神科を受診したとき、「みんな静かに座っているものなのか」と少し驚いたものです。

次に、2つめ「病気だと診断されるのが怖い」というものについて。私の場合は上述の通り、安心感を得たのですが、「君は〇〇病です」と言われることに対する受け入れ難さは想像が付きます。自分が患者であるという事実を突きつけられるので、抗いたくなる気持ちになるかもしれません。ラベリング効果があるため、本人は自分がそうであるのだと思わざるを得なくなり、人生に大きな影響を持ちます。余計に辛くなるかもしれないし、苦しむことも考えられます。しかし、それでも精神科に受診する意味はあります。それは、今まで悩んでいた定義できないものをしっかりと診断して名前を付してもらうことによって、対処法が分かることです。ラベリングによる苦しみはあるかもしれませんが、その先に病識(自分が病的な状態にあることを認めること)を持つことができたら、症状に適切に対処し、向き合うことが出来ます。

私は双極性障害の本当の怖さを知ったのは2016年秋でした。それまでは服薬を怠ったり、症状が出てもなんとなく過ごしていました。しかし大きな出来事があって酷いうつ状態になり、その後の混合状態で自殺未遂を犯して初めて双極性障害がどんなに恐ろしいものかを思い知りました。診断が出たのは2012年なので、丸5年掛かって漸くきちんとした病識を得ることができました。

なので、病識を持って病気に正面から向き合うことは、なかなか時間がかかるし難しいことかもしれません。

2016年秋の出来事があってからは、日々の服薬管理をしっかりと行い、症状が出る兆候を感じたらすぐに主治医に相談に行ったり、頓服を飲んだり、アルバイトの業務量を調整してもらったりして、なんとか大きな症状を出すことなく過ごしています。

診断から病気を受け入れて病識を持つまでの時間は、当然人それぞれだと思います。ラベリング効果に苛まれる日々があったとしても、いつかは正しい病気との付き合い方が見えてくるのではないでしょうか。

病気を受け入れることは容易いことではありませんが、私は静かで穏やかな諦念を持ってそれを自分の中に落とし込むことが出来ました。それはきっと、5年間という日々と2016年秋のことがあったからこそかも知れません。

精神疾患を憂いたり診断を拒絶したりしているだけでは、症状は良くなりません。統合失調症や双極性障害など不治のものならば、一生どう付き合っていくかを見出さなければ、人生が好転すること難しいと思います。

「病気だと診断されるのが怖い」ということは、自分が精神疾患を患っているという事実を突きつけられるかも知れないことが怖い、ということです。その恐怖を想像すると、やはり精神科の扉を叩くことは容易ではないのだろうと思います。しかし、その先に、苦しみや辛さがやってくるかもしれないけれど、それを昇華させられたら新たな道が拓けるのではないでしょうか。

Meli Melo Bipolar Disorder

双極性障害を持つ20代半ばの女のブログです